部屋の明るさの目安は? リビング・勉強机・寝る前の照度早見表と、場面で整える光

部屋の明るさの目安は? リビング・勉強机・寝る前の照度早見表と、場面で整える光

部屋の照明のちょうど良い明るさは、1つに決まっているわけではなく、その場所で何をするかによって変わるものです。同じリビングでも、本を読む手元と、家族でくつろぐテーブルまわりとでは、目安とされる明るさが2倍以上違います。

こうした明るさの目安は、「ルクス(lx)」という単位で表されます。
ルクスは、照らされた机や床がどのくらい明るいかを表す数字で、大きいほど明るいという意味です。照明器具の箱に書かれている「ルーメン」は器具から出る光の量のことで、ルクスとは別のものなので、違いは後半で改めてご紹介します。この記事では、晴れた日の屋外から夜の灯りまでを1つの表にまとめて、部屋の明るさの目安について解説しています。



明るさの早見表

部屋の明るさの目安 照度早見表(昼の屋外から夜の月明かりまで)

明るい順に並べています。出典欄の「JIS推奨照度」は、パナソニック「住宅の照明」(照明設計資料)に掲載されたJIS Z 9125:2023の推奨照度です。

明るさ(lx) どんな場面か 出典
約100,000 晴れた日の屋外(昼) 一般に言われる目安
数千〜 曇りの日の屋外(昼) 一般に言われる目安
1,000 手芸・裁縫の手元 JIS推奨照度
750 書斎・子供部屋での勉強・読書・パソコン作業 JIS推奨照度
500 居間での読書、応接間のピアノ、玄関の鏡 JIS推奨照度
300 ダイニングキッチンの食卓・調理台、寝室の読書・化粧、洗面所のひげそり・化粧・洗顔 JIS推奨照度
300以上 一般的な事務作業をする職場の最低ライン 事務所則 第10条
200 居間の団らん・娯楽、応接間のテーブル・ソファ、子供部屋の遊び JIS推奨照度
100 キッチン・書斎・子供部屋・浴室などの全般(部屋全体) JIS推奨照度
75 トイレの全般(部屋全体) JIS推奨照度
50 居間・廊下・階段の全般(部屋全体) JIS推奨照度
約25 夜の光でメラトニン(眠りに関わるホルモン)の分泌が半分に抑えられた明るさの平均(個人差は約6〜350lx) Phillips 2019(目の高さで測定)
20 寝室の全般(部屋全体) JIS推奨照度
2 寝室の深夜 JIS推奨照度
約0.26 スーパームーンの夜の実測 Kyba 2017
約0.05〜0.1 満月の夜 Kyba 2017


晴天や曇天の屋外の値は、公的な一次資料が見つからなかったため「一般に言われる目安」としています。また、約25lxの行は研究で得られた平均値で、すべての人に当てはまる基準ではありません。
なお、研究の数値は目の高さなどで測られていることが多く、机や床の明るさを示すJISの値とは測り方が異なります。



部屋・場面別の明るさの目安

住宅の明るさの目安としてよく使われるのが、JIS(日本産業規格)の推奨照度です。推奨照度とは、その部屋やその作業で確保したい明るさの目安のことです。

表の「全般」は、部屋全体の明るさの目安です。それ以外の行は、本を読む机や調理台のように、手元や作業する面の明るさを指しています。同じ居間でも、部屋全体は50lx、団らんのテーブルまわりは200lx、本を読む手元は500lxと、どこを測るかによって数字が変わります。

推奨照度(lx) 部屋 作業・場面
1,000 居間・ユーティリティ 手芸・裁縫
750 書斎・子供部屋 勉強・読書・パソコン作業
500 居間 読書
500 応接間 ピアノなど
500 ユーティリティ 工作
500 玄関(内側) 鏡
300 ダイニングキッチン 食卓・調理台・流し台
300 寝室 読書・化粧・姿見
300 浴室・脱衣所・洗面所 ひげそり・化粧・洗顔
200 居間 団らん・娯楽
200 ダイニングキッチン レンジ・パソコン作業
200 応接間 テーブル・ソファ
200 和室 座卓
200 子供部屋 遊び
200 ユーティリティ 洗濯
200 玄関(内側) 靴ぬぎ・飾り棚
100 ダイニングキッチン・書斎・応接間・和室・子供部屋・ユーティリティ・浴室など・玄関(内側) 全般
75 トイレ 全般
50 居間・廊下・階段 全般
20 寝室 全般
2 寝室 深夜


出典:パナソニック「住宅の照明」(照明設計資料)に掲載されたJIS Z 9125:2023の推奨照度

表を見ると、同じリビングでも、家族でくつろぐなら200lx、居間で本を読むなら500lxと、することによって目安が倍以上違うことがわかります。子どもの勉強机や在宅ワークの机は750lxが目安なので、部屋全体の照明だけでは足りないことが多く、手元を照らすデスクライトを組み合わせるのが一般的です。手元の明るさと目の疲れについては「LED照明で目が疲れる3つの原因とは?」でも詳しく紹介しています。



「100ルクス」って、どのくらい?

100lxは、表でいうとキッチンや書斎、子供部屋など、部屋全体を照らす明かり(全般)の目安と同じくらいの明るさです。家族の団らんの目安である200lxのちょうど半分にあたり、本を読むには少し物足りないものの、部屋の中を歩いたり、会話をしたりするには困らない明るさと考えるとイメージしやすいでしょう。

一方で、実際の家庭の明るさはこれよりかなり高いこともあります。テレビ番組で紹介された一家庭の例では、夜、寝る前に家族が過ごしていたリビングが568lx、子どもの寝室が447lxでした。あくまで一つの家の例ですが、くつろぐ時間の部屋が、読書や作業の目安に近い明るさになっていることは珍しくないようです。

夜の部屋は100lxを切るくらいでも暮らせる、という考え方については、「睡眠の質と夜の照明」で詳しくまとめています。



明るさの規格は2023〜2024年に新しくなっています

照度の目安を調べると、「JIS Z 9110:2010」の表や、「団らんは150〜300lx」といった幅のある数字を目にすることがあります。こうした幅のある数字は、古い版の値や、推奨照度に幅を持たせた範囲の値です。

その後、屋内の照明の基準はJIS Z 9125(屋内照明基準)の2023年版にまとめられ、照明の考え方の土台となるJIS Z 9110(照明基準総則)は2024年12月20日に改正されました。改正後のJIS Z 9110からは屋内照明の要求事項が外れ、JIS Z 9125へ移っています。

年 規格 主な変化
2010 JIS Z 9110(照明基準総則) 住宅を含む推奨照度の表を掲載
2023 JIS Z 9125(屋内照明基準) 屋内照明の推奨照度をこちらで示す
2024 JIS Z 9110 改正(12月20日) 屋内照明の要求事項がJIS Z 9125へ移る

古い記事の数字が間違っているわけではありませんが、引用するときは、どの版の値か、推奨照度なのか範囲なのかを確かめておくと安心です。


職場の明るさの最低ライン(法令)

JISの推奨照度は「このくらいあると望ましい」という目安ですが、職場には法令で決められた最低ラインがあります。事務所衛生基準規則の第10条は2021年12月に改正され、2022年12月1日から、一般的な事務作業は300lx以上、付随的な事務作業は150lx以上となりました。

工場など事務所以外の作業場には労働安全衛生規則の第604条があり、精密な作業は300lx以上、普通の作業は150lx以上、粗な作業は70lx以上とされています。

在宅ワークの机は法令の対象ではありませんが、事務所の最低ラインが300lx、JISの推奨照度ではパソコン作業が750lxという2つの数字を知っておくと、自宅の机の明るさを考えるときの目安になります。



寝る前の明るさの目安

寝室で本を読んだりお化粧をしたりするときの手元は、読書・化粧の目安である300lxが参考になります。一方、JISの推奨照度では寝室全体の明るさ(全般)は20lx、深夜は2lxとされていて、寝室は時間帯によって求められる明るさの幅がとても大きい部屋です。

夜の光と眠りの関係については、いくつかの研究があります。
2019年にPNASに掲載された研究では、夜の光でメラトニンの分泌が半分に抑えられる明るさは平均で約25lx(24.6lx)でしたが、人によって約6lxから350lxまで大きな差がありました。2011年に発表された別の研究では、寝る前の一般的な室内の光(200lx未満)と薄暗い光(3lx未満)を比べ、メラトニンの分泌のしかたに違いがあったことを報告しています。

2022年には、国際的な専門家グループが、日中は250以上、寝る3時間前からは10以下、睡眠中は1以下という目安を提案しました。ただしこの数字は、同じlxで表されますが、JISの照度とは別の「メラノピックEDI」という指標で示されています。メラノピックEDIは、目の高さで測った光が体内時計にどれだけ働きかけるかを表す指標なので、この記事の表の数字とそのまま比べることはできません。

どの研究も、夜の光を明るくしすぎないことに意味がある可能性を示していますが、感じ方や反応には個人差があります。昼は明るく、夜は落とすという光の使い方については「サーカディアン照明とは?」も参考にしてください。



ルクスとルーメンの違い、〇畳用の照明はどのくらいの明るさ?
ルクスとルーメンの違い

照明器具のパッケージには、lx(ルクス)ではなくlm(ルーメン)という単位が書かれていることがよくあります。ルーメンは照明器具から出る光の量そのもの、ルクスはその光が当たった面の明るさです。理想的な条件で考えると、ルクスは「ルーメン÷照らす面積(㎡)」で表されます。同じ明るさの照明でも、広い部屋や器具から遠い場所ほど、1㎡あたりに届く光が減ってルクスは下がります。

シーリングライトの「〜8畳用」といった適用畳数は、1灯をつけたとき、おおよそ75〜150lx(初期の水平面照度)を確保できる広さを目安に決められています。これは日本照明工業会のガイド121に基づく考え方です。つまり〇畳用の照明1灯で、部屋全体の明るさ(全般)の目安はおおむね満たせても、団らんの200lxや読書の500lxには届かない場合があり、手元の作業には別の明かりを足すのが一般的です。



スマホで部屋の明るさを測るときの注意

スマートフォンには照度を測るアプリがあり、手軽に部屋の明るさを確かめられます。ただ、ドイツの試験機関DIALが2022年に公開した検証では、500lxの光をある機種のアプリで測ると1,063lxと表示され、別の機種では100lxの光が11lxと表示されました。スマホのセンサーには、専用の照度計にある「人の目の感じ方に合わせる補正」や「斜めから入る光の補正」がないことが、ずれの原因とされています。検証に使われた機種は古いものですが、数字をそのまま信じるのは避けたほうがよさそうです。

スマホのアプリは、同じ部屋の昼と夜、照明Aと照明Bのように、同じ機種で比べるときに使うのがおすすめです。正確な値を知りたいときは、校正された照度計で測りましょう。



家の光を、場面で切り替えるという考え方

ここまで見てきたように、ちょうどいい明るさは一つではありません。日中の作業や勉強の時間は手元をしっかり明るく、夜のくつろぎの時間は明るさを落とすというように、場面に合わせて光を変えていくのが、無理のない整え方です。

明るさと合わせて、光の色(色温度)を場面で変えるのも一つの方法です。色温度はK(ケルビン)で表され、数字が低いほど暖かみのあるオレンジ寄りの光、高いほど白っぽい光になります。昼白色と昼光色の違いなど、色温度の詳しい比較は「昼白色と昼光色の違いは?」にまとめています。

グリーンユーティリティーの陽光LED照明「明王 Myo-Ou」には、色温度の違うシーリングライトとキャビネットライトがあります。シーリングライトは、夜の時間に向けた1600Kと、一日を通して使いやすい2700Kの2種類です。手元用のキャビネットライトには5000Kと2700Kがあり、作業をする机と、夜に本を読む枕元のように、場所や時間で選び分けられます。明王 Myo-Ouは、ALLIGHT.で取り扱っています。部屋の広さや過ごし方に合わせた組み合わせのご相談も承っています。




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※本製品は医療機器ではなく、特定の疾病の治療を目的とするものではありません。掲載情報は各公的機関・研究資料および株式会社グリーンユーティリティーの公表内容に基づいています。
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