ビタミンDは日光で何分? 不足する原因と、浴びる時間の目安
ビタミンDをつくるのに必要な日光の時間は、季節や地域、時刻、肌の出し方で変わります。環境省のマニュアルも、一律に何分とは言えないとしています。
たとえば2026年10月6日、晴れた名古屋で国立環境研究所のページを見ると、正午ごろに顔と両手の甲を日光に当てて10μgをつくる計算上の目安は約9分でした。同じ日の14時台後半には32分かかっています。これは、その日その場所の計算例で、誰にでも当てはまる日光浴の推奨時間ではありません。
- 日光の時間は条件で大きく変わります。冬(12月)の晴れた正午の計算では、札幌139分、那覇14分です
- 日焼けにも注意が必要です。日焼けが始まる目安は、10月6日の名古屋の正午ごろで約27分でした。夏の昼はさらに短くなります
- 不足に関わる要因として、季節と地域、日光を浴びる機会、食事、年齢などが挙げられます
この記事の内容
日光は何分浴びればいいか
環境省のマニュアルは、日光浴の時間を「一律に『○○分』と表現することはできません」としています。地域や季節、時刻、天気、服装、肌の色などで変わるためです。そのうえで、目安を知る方法があります。
10月の名古屋で見てみた
国立環境研究所のページでは、国内の観測地点ごとに、その日の時刻ごとの時間が見られます。2026年10月6日、名古屋の値は次のとおりでした(観測にもとづく速報値。この日の名古屋は晴れ)。計算の前提は、日本人に多い肌のタイプ(スキンタイプIII)です(国立環境研究所 2014年)。
| 時刻 | 顔と両手の甲 | 腕や足も出す | 日焼けが始まるまで |
|---|---|---|---|
| 正午ごろ | 約9分 | 約4.5分 | 約27分 |
| 14時台後半 | 32分 | 16分 | 81分 |
この日の名古屋なら、正午ごろの強さが続けば、顔と手を出して10分ほどで10μgに届く計算です。14時台後半には、同じ量に30分以上かかりました。同じ場所・同じ日でも、時刻が3時間ほどずれるだけで3倍以上の時間がかかります。
自分の地域の今日の目安は、国立環境研究所の「ビタミンD生成・紅斑紫外線量情報」で確かめられます。
冬の北と南では、これだけ違う
国立環境研究所は2014年に、冬(12月)の晴れた日の正午に顔と両手の甲を日光に当てた場合の時間を計算しています。10μgは、今の成人の目安量9.0μgに近い量です。
| 地域 | 10μgをつくる時間 | 日焼けが始まるまで |
|---|---|---|
| 札幌 | 139分 | 227分 |
| つくば | 41分 | 98分 |
| 那覇 | 14分 | 42分 |
夏(7月)の正午は、同じ研究所の2013年の計算で、5.5μgをつくる時間が札幌4.6分、つくば3.5分、那覇2.9分でした。つくる量の条件(10μgと5.5μg)が違うため、冬の表とそのまま比べることはできません。
2014年の資料は、夏の昼間は日焼けを起こす紫外線への対策が必要だとしています。7月の正午に日焼けが始まるのは、札幌23分、つくば12分、那覇5分です。
この計算は、どれも晴れた日の値です。曇りや雨の日は、さらに長い時間が必要です。腕や足も日光に当てれば、時間は短くなります。
食事の目安量と、日光の関係
国の食事摂取基準(2025年版)では、成人の1日の目安量は男女とも9.0μg、とりすぎの上限は100μgです。
この記事の日光の時間は、肌で10μgをつくる場合の計算です。食事の目安量9.0μgとは別の数字で、「日光を何分か浴びれば食事のビタミンDはいらない」という意味ではありません。
国の目安量は、日光でもビタミンDがつくられることを前提に決められています。そのうえで基準は、すべての年代で「日常生活において可能な範囲内での適度な日光浴」を心がけること、ビタミンDのとり方は日照時間を考えることが大切だとしています。
環境省のマニュアルは、必要な量を食事だけからとるのは難しいとしています。日本人については「紫外線の悪影響より、好影響の効果を意識することが望ましい」とも書いています。日光は季節と地域で量が大きく変わるため、食事と日光の両方で考えるのが、国の基準の考え方です。
どれくらいの人が足りていないか
東京都内で健康診断を受けた5,518人のうち98%が、国内の学会が示す基準(血液中の濃度30 ng/mL)に届いていませんでした(東京慈恵会医科大学)。調べたのは2019年4月から2020年3月の受診者です。
国の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」は、20 ng/mLを判断の基準(参照値)にしています。こちらの基準で見ても、78.5%が届いていません。同じ調査を2つの基準で分けると、次のようになります。
| 血液中の濃度 | 割合 |
|---|---|
| 20 ng/mL未満 | 78.5% |
| 20以上30 ng/mL未満 | 19.8% |
| 30 ng/mL以上 | 約1.7%(上の2つから計算) |

20と30のどちらを線にしても、多くの人が届いていません。研究では、年齢が若いほど不足している人の割合が高いことも分かっています。
ビタミンDの不足に関わる要因
不足に関わる要因として、季節と地域、日光を浴びる機会、食事、年齢などが挙げられます。ビタミンDは食事でとるほかに、日光(紫外線)を浴びた肌でもつくられます。環境省のマニュアルは、多くの人が必要なビタミンDの半分以上を日光の紫外線から得ているとしています。
① 季節と地域
冬は紫外線が弱く、北の地域ほど肌でつくれる量が減ります。国立環境研究所は「特に冬季の北日本では」日光浴に加えて、ビタミンDを補うことが必要と考えられる、としています。
② 日光を浴びる機会
同じ研究所は、太陽の光をなるべく浴びないようにする風潮が広まったことも「近年のビタミンD不足の一因と考えられます」としています。母子手帳にあった日光浴をすすめる文章は、1998年以降に削除されました。
③ 食事
令和5年の国民健康・栄養調査では、1日にとっているビタミンDは、20歳以上の平均で6.5μg、20代の平均で4.5μgでした。成人の目安量9.0μgに届いていません。とっている量を少ない順に並べたときの真ん中の値(中央値)は、20歳以上で3.1μg、20代で2.1μgです。
④ 年齢と性別
2016〜2017年に21〜25歳の女性39人を毎月調べた研究では、20 ng/mL未満の人が冬で91.3%、夏でも62.5%いました。人数の少ない研究です。
医療研究機関(病院を含む)の職員2,543人を2023年に調べた研究では、若い人、女性、余暇に日中外で体を動かす時間が少ない人、脂の多い魚を食べる量が少ない人などで、20 ng/mL未満の人が多くいました。
慈恵医大の論文の要旨は、都市部に住む人の生活習慣、たとえば外で過ごす時間が少ないことや、昔ながらの食べ物をあまり食べないことが影響している可能性がある、としています。原因を確かめたものではなく、考えられる理由として挙げています。
日焼け止めはビタミンDを減らすのか
研究ごとに、調べている対象や条件が違います。肌でつくられる量を見たもの、ふだんの生活での血液中の濃度を見たもの、使う頻度との関係を見たものがあります。
| 研究・資料 | 調べたこと | 結果 |
|---|---|---|
| 国際的なレビュー(Neale ら 2019) | ふだんの生活で日焼け止めを使ったときの、血液中のビタミンD | 下がるという根拠はほとんどない。ただしSPFの高い日焼け止めを使った試験はない |
| 日本の若い女性の研究(Tsugawa ら 2022) | 日焼け止めを使う頻度と、血液中のビタミンD | 週3〜7日使う人は、週0〜2日の人より、春に3.6、夏に5.1 ng/mL低かった |
| 環境省のマニュアル(2020) | SPF30の日焼け止めを塗ったときの、肌でつくられる量 | 5%以下に落ちる |
日本の若い女性の研究は、使う頻度と低い値が一緒に見られたことを示したもので、日焼け止めが原因だと確かめたものではありません。環境省のマニュアルには、5%以下という値の条件(塗る量など)が書かれていないため、ふだんの使い方での値かは分かりません。
ビタミンDの主な働き
国の食事摂取基準がはっきり書いている働きは、腸でカルシウムとリンの吸収を助けることと、腎臓でカルシウムとリンが再吸収されるのを助けることです。環境省のマニュアルは、腸からのカルシウムの吸収を2〜5倍ほどに増やすとしています。
ほかに、免疫に関わる細胞などへの働きも挙げられています。ただ、骨以外の働きについて、どれくらいとればいいかまで示した研究はまだ限られています。
今回の資料では分からなかったこと
- ビタミンDが足りないと疲れやすくなるのか。今回調べた範囲では、健康な人を対象に、研究をまとめて確かめたレビューは見つかりませんでした
- 日焼け止めがどこまで影響するのか。調べている対象や条件が研究ごとに違い、まだはっきりしません
自分のビタミンDが足りているかどうかは、血液検査で調べられます。気になる場合は、医療機関に相談してください。
出典
- 98%の日本人が「ビタミンD不足」に該当(東京慈恵会医科大学 プレスリリース・2023年6月5日)/Miyamoto H ら. The Journal of Nutrition 2023;153(4):1253-1264
- 日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書(厚生労働省)
- 令和5年国民健康・栄養調査報告(厚生労働省)
- 紫外線環境保健マニュアル2020(環境省)
- 体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定(国立環境研究所・2013年)
- 太陽紫外線による健康のためのビタミンD生成と皮膚への有害性評価(国立環境研究所・2014年)
- 国民のビタミンD不足を補うための日光照射の勧め(国立環境研究所・2017年)
- ビタミンD生成・紅斑紫外線量情報(国立環境研究所)
- ビタミンD生成・紅斑紫外線照射時間(速報値)名古屋局(国立環境研究所・2026年10月6日時点)
- Vitamin D Status in Japanese Young Women in 2016-2017 and 2020(Tsugawa N ら 2022・J Nutr Sci Vitaminol)
- Vitamin D deficiency … among healthcare workers(Ito A ら 2024・Clin Nutr ESPEN)
- The effect of sunscreen on vitamin D: a review(Neale RE ら 2019・Br J Dermatol)
執筆:ALLIGHT.編集部(最終更新:2026年10月)
本記事は、陽光LED照明「明王 Myo-Ou」を取り扱うALLIGHT.が作成しています。
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