白熱電球とLED電球は、何が違うのか

白熱電球・LED電球・高演色LEDの下で撮ったトマトの比較

白熱電球とLED電球の違いは大きく3つあります。消費電力・寿命・色の出方です。同じ明るさを出すのに必要な電力はおよそ7分の1になり、寿命は数十倍になります。


同じ明るさで、電力は7分の1・寿命は40倍になります

同じ明るさで比べると、消費電力は60Wが8.5Wに、寿命は1,000時間が40,000時間になります。ホームセンターの棚にある普通の製品を2つ買って並べました。

消費電力 寿命 明るさ
白熱電球(オーム電機 LB-D5660CN) 60W 1,000時間 850lm
LED電球(コーナンオリジナル PortTech PA60L26) 8.5W 40,000時間 844lm

電力は約7分の1、寿命はちょうど40倍です。1日8時間つけた場合、白熱電球は4か月ほどで切れる計算ですが、LEDは約14年もちます。

替えれば電気代と交換の手間は減ります。電力と寿命は、パッケージの数字がそのまま答えになります。


色の出方はパッケージの数字では分かりません

同じ電球色を選んでも、前と同じ色に見えないことがあります。これが3つ目の違い、色の出方です。

料理がおいしそうに見えない、木の色がくすむ、トマトの赤が浅くなる。数値は合っているのに何かが違うという話です。

色の再現性には Ra という数字があります。ただ、Raは書かれていないことのほうが多いのが実態です。

今回ホームセンターで買ったLED電球(コーナンオリジナル PortTech PA60L26)はパッケージにもメーカーの公式ページにもRaの記載がありませんでした。白熱電球にもRaの記載がありません。数字で比べようにも、比べる数字が手に入りません。

白熱電球・一般的なLED電球・高演色LEDの3つで同じものを撮り比べました。撮影と調整の条件も載せています。

白熱電球・LED電球・高演色LEDの下で撮ったトマトの比較

左から 白熱電球/一般的なLED電球/高演色LED(明王)。右に写っている灰色の板がグレーカードです。

撮影と調整の条件

工程 内容
撮影 LUMIX GH5・RAW(RW2)/ISO200・1/10秒・F5.6/ホワイトバランスは3枚とも同一のマニュアル固定。電球を替えただけで、カメラ・被写体・距離・設定はいっさい動かしていません
現像 rawpy でカメラのホワイトバランス設定をそのまま使用。出力はsRGB。自動明るさ補正なし
調整 画面内のグレーカードがR=G=Bの同じ値になるよう、リニア(ガンマをかける前)で色ごとの倍率を掛けただけ。ほかの補正はしていません

灰色を同じ灰色に揃えても、赤の出方は変わります

3枚の写真は画面内のグレーカードが同じ灰色になるところまで合わせてあります。R=G=Bになるよう補正した結果、残差は±1以内(121/122/123)に収まりました。光の色味の違いはこの調整で消えています。

それでもトマトの赤は同じになりません。写真の明るさに左右されないようグレーカードを1としたときの赤と緑の反射の比を測りました。

赤と緑の比
白熱電球 7.9
LED電球 5.8
高演色LED(明王) 7.4

一般的なLED電球だけ、赤が4分の1ほど低く出ています。高演色LEDは白熱電球に近い値です。数字の上でも、見た目でも、同じにはなりません。

色味を揃えても残るこの差が演色性です。

Ra
白熱電球 約100(規格上の基準光にほぼ一致。製品としての公表値はなし)
LED電球 公表なし
高演色LED(明王シーリングライト) 95以上(発売元公表値)

白熱電球の約100は測った値ではありません。Raは「その光と同じ色味の理想的な光と比べて、どれだけ色がズレるか」を表す数字です。基準になるのは完全放射体(黒体)の光で、白熱電球はそれにほぼ重なります。だから100に近い値になります(JIS Z 8726:1990「光源の演色性評価方法」)。


違いが出るのは、色温度ではなく演色性です

色温度と演色性は別のものです。色温度は光そのものの色味を、演色性は光に含まれる波長のそろい方を表します。

白熱電球はフィラメントを熱して光らせています。物が熱で光るときは波長が連続します。虹の帯に穴がない状態です。温度が低いぶん赤が強く青が弱いので、見た目はオレンジになる。色味はオレンジなのに、色は全部そろっているわけです。

一方、一般的な白色LEDは青色のLEDに黄色の蛍光体を重ねて白を作ります。この作り方だと青に鋭い山ができ、赤の成分は薄くなる。

ここが肝心なところです。光に入っていない色はあとから戻せません。

カメラのホワイトバランスや人の目の色順応は、全体の色かぶりなら直せます。オレンジの部屋にしばらくいると白い紙が白く見えるのは、脳が基準を引き直しているからです。でもそれは色味の補正であって、もともと含まれていない波長を作り出すことはできない。だから赤が薄い光の下では、トマトはトマトの赤に戻りません。


Raの8色に、鮮やかな赤は入っていません

Raは試験色8色(R1〜R8)の平均値で、鮮やかな赤は計算に入っていません(JIS Z 8726:1990「光源の演色性評価方法」6.10.2)。鮮やかな赤にはR9という別の番号が振られていて、R9〜R15は特殊演色評価数として個別に評価されます。

つまりRa90でも、赤だけ再現できていないということが起こり得ます。赤い食材や木の色を大事にしたい場所では、Raの数字だけでは足りません。


白熱電球からLEDに替えるとき、確かめること

最初に確かめるのはいま使っている照明が調光器付きかどうかです。調光回路に非対応のLED電球をつなぐと、故障の原因になります。調光器付きなら、パッケージに調光器対応と書かれた製品を選んでください。

そのうえで確認する項目は3つです。

  • 口金サイズ(E26/E17)
  • 明るさ(ワットではなくルーメン。60W形相当なら810lm以上)
  • 器具の種類(密閉型・断熱材施工器具は専用品が必要)

出典:一般社団法人日本照明工業会「電球形LEDランプ(LED電球)の正しい選び方」(LED照明ナビ)


よくある質問

Q. 白熱電球からLED電球に、そのまま付け替えて大丈夫ですか?

口金(E26/E17)が同じなら、そのまま付け替えられます。ただし調光器付きの照明・密閉型器具・断熱材施工器具の場合は、それぞれ対応と書かれたLED電球を選んでください。

Q. 明るさは何を見て選べばいいですか?

ワットではなくルーメン(lm)です。60W形相当は810lm以上、40W形相当は485lm以上が目安になります。

出典:一般社団法人日本照明工業会「電球形LEDランプ(LED電球)の正しい選び方」(LED照明ナビ)

Q. LED電球の「電球色」を選べば、白熱電球と同じ色になりますか?

同じになるとは限りません。「電球色」が揃えているのは光の色味だけで、色の再現性(Ra)は製品ごとに違うからです。撮り比べた写真ではLED電球と明王がどちらも電球色に近い光です。それでも赤の出方に差が出ています。

Q. 電球のパッケージにRaが書かれていないときは、どうすればいいですか?

書かれていない製品のほうが多いのが実情です。撮影に使ったLED電球(コーナンオリジナル PortTech PA60L26)も、パッケージにもメーカー公式ページにも記載がありませんでした。色を大事にしたい場所では、Raが明記されている製品から選ぶのが確実です。


まとめ 違いは3つです

白熱電球とLED電球の違いは、電気代と寿命、そして色の出方です。

電気代と寿命はパッケージの数字がそのまま答えになります。ワット数ではなくルーメンで明るさを合わせれば、そこで失敗することはありません。

色だけはパッケージを見ても決まらないことがあります。今回買ったLED電球にもRaの記載はありませんでした。Raが書かれている製品から選ぶのがいちばん現実的です。


執筆:ALLIGHT.編集部

本記事は、陽光LED照明「明王 Myo-Ou」を取り扱うALLIGHT.が作成しています。

■ALLIGHT.(オールライト)について

当ストアは、株式会社グリーンユーティリティーの陽光LED照明「明王 Myo-Ou」シリーズを取り扱うオンラインストアです。

現在の照明環境やお部屋の用途に合わせた個別相談サポートも承っております。公式LINEよりお気軽にご相談ください。

ALLIGHT.公式LINEで相談する

※本製品は医療機器ではなく、特定の疾病の治療を目的とするものではありません。掲載情報は株式会社グリーンユーティリティー公式サイト(https://greenutility.co.jp/)の公表内容に基づいています。
<PREV 一覧に戻る NEXT>